【完】きみは硝子のゼラニウム





ぼっと一気に顔が熱くなるのが自分でも分かって、慌てて長い髪を前に垂らして顔を隠す。

隠したって無駄なのに。どうせ赤いの、ばれてるのに。



「はは、照れてる?」



からかうみたいな声が頭の上から降ってきて、ますます体温が上がる。



「…ひ、尋くん…やだぁー」



うまく言葉にならなくて、情けない声しか出ない。そんな私を見て、また「はは、かわいー」って笑う。



尋くんの、バカ。


私の気持ちも知らないで。こっちは慣れてないんだよ、こんな距離も、こんな言葉も、こんなふうにまっすぐ見つめられることも。


落ち着く暇なんてないのに、そのキラキラした顔でこれ以上こっち見ないでほしい。優しく笑う目も、少し低い声も、全部が刺激強すぎるんだよ。


なのに目を逸らしたいのに逸らせなくて、髪の隙間からこっそり覗いてしまう自分がいて、そんな自分にもまたドキドキしてしまう。