【完】きみは硝子のゼラニウム





ど、どういう意味だろう?


頭の中が追いつかない。


怒ってるの?それとも、呆れてる?



尋くんが「中入ろ」と軽く言って、校舎のほうへ歩き出す。

さっきまで確かに繋がれていた手は、気づいたら離れていて。


……あ、離れちゃったんだ。


自分でもびっくりするくらい、名残惜しいと思ってしまう。



校舎の入り口でスリッパに履き替えると、慣れない感覚に思わず顔がしかめっ面になる。

甲が平たい私は、こういう簡易的なスリッパがとにかく苦手で、一歩踏み出すたびに、ぺた、ぺた、と情けない音がして、今にも脱げそう。



うぅ……歩きづらい。


転ばないようにと足元ばかり見ていると、隣からくすっと笑う声が降ってきた。



「足、ちっさ」



私にちゃんと歩幅を合わせてくれているくせに、そんなことを言う。


そりゃ、27センチの尋くんと比べたら小さいかもしれないけどっ……。