【完】きみは硝子のゼラニウム





すぐに店員さんが気づいて駆け寄ってきてくれて、お待ちしていました、とにこっと笑った。


予約していた花束を差し出すと、彼女はぱっと目を輝かせる。



「わあっ!春って感じですね~!店内の雰囲気と合いそうですっ!」




両手で大事そうに抱えながら、「かわいい、ほんとにかわいい」と何度も呟いてくれる。


その様子が嬉しくて、思わず頬が緩む。


私が作ったわけじゃないのに、なぜか誇らしい。



「お姉さんが作ったんですか?」



きらきらした目で聞かれて、思わず肩が跳ねる。



「いっ、いえいえ!私なんて、まだまだでっ」



ぶんぶんと首を横に振ると、あ、そうなんですね、と素直に頷きながら、彼女は花束を大事そうに抱えたまま店内を見渡した。


淡い色味の雑貨や、やわらかな照明に包まれた空間に、春色の花束はたしかによく映えている。

自分が作ったわけじゃないのに、胸の奥がくすぐったくなるくらい嬉しい。