【完】きみは硝子のゼラニウム





胸の奥が熱くて、苦しくて、それでも言葉は止まらない。



「でも私は……あの日から……きっと、尋くんと出会ったあの日からっ……ずっと、思ってたの……」



声が掠れて、それでも必死に紡ぐ。



「……隣で、歩いていきたいって思ったのっ……!」



ただの憧れじゃない。かっこいいとか、優しいとか、そういう表面だけじゃなくて——もっと深いところで。



「憧れだけじゃない……もっと、大事で……」



一度ぎゅっと目を閉じて、もう一度開く。



「……私が、自分で大切にしたいって……初めて、思ったの」



こんな気持ち、知らなかった。

自分のことが嫌いで仕方なかった私が、「大切にしたい」って思えるものができるなんて、思ってもみなかった。


それが——



「……尋くんだったの」



震える声で、でも今度ははっきりと、そう言い切った。