【完】きみは硝子のゼラニウム





ジャングルジムのそば、少しだけ緑が集まっている場所を見つけて、その場にしゃがみ込む。


冷たい地面の感触なんて気にならないくらい、必死に視線を落とす。三つ葉、三つ葉、三つ葉……どこを見ても同じ形ばかりで、焦りだけが募っていく。


この勝負は、私が勝たないといけないから。


まだ、何も伝えられてない。尋くんにもらったもの、優しさも、あのキスも——ひとつも、ちゃんと返せてない。



「なかなか見つかんないな」



少し離れたところから聞こえてきた声に、思わず顔を上げる。

そこには、こっちを見て笑っている尋くんがいて、その何気ない表情に、また胸がぎゅっと締めつけられる。


どうしてそんなふうに笑うの。どうしてそんなふうに、優しいの。


苦しくて、泣きたくなって、それでもやっぱり愛おしくて——ぐちゃぐちゃになりそうな気持ちを必死に押し込める。



涙がこぼれそうになるのをぐっとこらえて、もう一度視線を落とす。


ちゃんと向き合いたい。逃げたくない。ちゃんと、好きだって言いたい。


震える指で三つ葉の中をかき分ける。




そのとき——ふと、ひとつだけ違う形が目に入った。