【完】きみは硝子のゼラニウム





指先が軽くお腹をなぞって、そのままゆっくりと腰へと滑っていく。

その感触に、ぞくっと背筋が震えて、



「…っ…ふっ…」



抑えきれない息が漏れてしまう。はっとして慌てて口を手で押さえるけど、もう遅い。

じんわりと目に涙がにじんで、恥ずかしさと混乱でいっぱいになりながら、キッと尋くんを睨む。

でも、そんなの全然意味がなくて、むしろ楽しそうに笑われてしまう。



「なんで笑って…!?」



必死に抗議するけど、その声すら震えていて、自分でも情けないと思う。



その次の瞬間だった。私の右手が、ぎゅっと強く握られる。

びくっと反応する間もなく、そのまま顔の横に押さえられて、自由が奪われる。


え、と思ったときには、反対の左手も同じように掴まれていて、気づけば両手とも簡単に封じられていた。


視界がぐらっと揺れて、何が起きているのか理解が追いつかないまま、はっとする。



覆いかぶさるような影と、逃げ場のない距離。

そのときになってやっと、自分がどういう状況にいるのかを理解する。