【完】きみは硝子のゼラニウム





「…っ、あ…う」



自分でも情けないくらい変な声が漏れてしまって、余計に恥ずかしくなるのに、「すげー熟睡できそう」なんて、尋くんは本気で満足そうに呟くから、もうどうしていいのか分からない。



私は全然できないんですが…!


声に出せる余裕なんてなくて、ただ抱きしめられたまま固まるしかない。


背中に回された腕はしっかりしていて、逃げようと思えば逃げられるはずなのに、体が言うことを聞かない。というか、逃げたいのかどうかすら、自分でも分からなくなっている。


だって、安心するのも本当で、でもドキドキが止まらないのも本当で、その両方がぐちゃぐちゃに混ざって、まともに呼吸すらできない。


頭のすぐ近く、腰のあたりに回されている手の存在を、どうしても強く意識してしまう。



べ、別に部屋もベッドも狭くないし、こうやって抱き合って寝る理由なんてどこにもないのに…!


そう思って自分を落ち着かせようとした、そのときだった。


お腹のあたりにあった尋くんの手が、するっと内側に入り込んでくる。

予想してなかった動きに、びくっと体が跳ねる。



「ひっ…尋くんっ…」


「んー?」



なんでもない顔しないで…!