【完】きみは硝子のゼラニウム





今、私きっと変な顔してる。

そう思うくらい、頭の中はぐちゃぐちゃで、どうしたらいいのか分からないまま、ただ時間だけが過ぎていく。

そんな私を見て、尋くんは少し困ったように眉を下げた。

その表情が胸に刺さって、あ、やっちゃったかもって、遅れて後悔が押し寄せてくる。


困らせたよね、今の言い方。わがままだったよね。

…さすがに、だめだよね。


そう思って、そっと力を抜いて、掴んでいた尋くんの腕から手を離す。


これでいい。これで普通に戻れる。

そう自分に言い聞かせた、その瞬間だった。


パシッ、とその手首を掴まれる。



「いーの?そんなこと言っても」



低くて少し意地悪な声に、思わず顔を上げる。



「…え?」


「抱きしめて寝るけど。いーの?」


「だっ、だきっ…!?」


「そりゃそーでしょ。好きな子にこんなこと言われて、ひとつも手出さないほど、俺は優しくないからね」



さらっと、とんでもないことを言われて、今度こそ完全に思考が停止する。


好きな子…って、今、言った?手出さないほど優しくないって、それってつまり…なに?


頭の中で言葉がぐるぐる回るのに、答えは全然まとまらない。