【完】きみは硝子のゼラニウム





自分で言い出したくせに、勝手にダメージを受けていると。



「ひなのこと、子どもっぽいと思ったことないけど」


「え?」


「ひなは顔が綺麗だから、なんでも似合うよ。今日だって、十分人の目惹きつけてる」



……え。

え?

そ、そうなのかな。



確かに、さっきから時々視線を感じるけれど、でも、それは絶対に尋くんを見ているだけだ。

こんな背が高くて、すらっとしてて、しかもこんなにかっこいい人が歩いていたら、そりゃあ誰だって目に入る。だからその視線の理由が私なわけない、っていうのは自分でもよく分かっている。



「なーに?俺の言うことに文句あんの?」



少し笑った声が降ってきたかと思うと、次の瞬間、軽く額を人差し指でつつかれた。



「……うっ……そういうことじゃないですけど」



ちょっとだけ痛くて、私は思わず顔をしかめる。顔を上げると、尋くんは少し呆れたみたいに肩をすくめていた。



「俺がそう思ってんだから、他はどーでもいいだろ?ひなは、俺のことだけを考えてよ」


「……っ、」



……もう、本当にこの人は。どうしてこんなことを、そんな普通の顔で言えるんだろう。