【完】きみは硝子のゼラニウム





……やっぱり甘い。

私は、好きな人にとことん甘くなってしまうらしい。



握られている手の温かさが、愛しくなって、私は少しだけ力を込めて、ぎゅっと握り返してみた。


すると、すぐだった。



「ん?」



尋くんが小さく声を出して、私の方に顔を向ける。ほんの少し手を握り返しただけなのに、すぐに気づいてくれる。歩きながらでも、ちゃんと私のことを感じ取ってくれる。



……こういうところも、好きだ。


好きで、好きで、好きすぎて。

なんだか、泣きたくなってしまう。


こんなんじゃ、この先どうなるんだろう。



……先が思いやられる。




ヴィンテージっぽい色落ちのデニムに、白いTシャツ。それだけなのに、どうしてこんなに目立つんだろう。シンプルな格好なのに、すれ違う人がちらっと見るくらいには華がある。


背が高くて、スタイルもよくて、歩き方もなんだかかっこよくて。そういう全部が合わさって、余計にそう見えるんだと思う。