【完】きみは硝子のゼラニウム





一瞬、何が起きたのか理解できなくて、私はそのまま仰向けの状態で固まる。数秒遅れて、じわじわと痛みが広がってきた。


痛い……っ……!


鼻のあたりを押さえながら、心の底から思う。

……仰向けでスマホ触るもんじゃない。絶対に。


しばらく悶えたあと、さっきの通知音の原因を思い出して、少しだけ胸が高鳴る。もしかして、と思いながら、震える指で通知欄を開いた。


尋くんからのメッセージ。

思わずさっきの痛みも忘れて、トーク画面を開く。
返事というよりは――



〈この日か、この日どっちがいい?〉



……うれしい。

さっきまで、もしかして断られるかも、とか、忙しくてスルーされてるのかも、とか、いろいろ考えていたのが嘘みたいだ。


だめだ、ニヤけてる。絶対ニヤけてる。


慌てて私は表情を引き締めようとするけれど、頬が勝手に上がってしまう。誰に見られているわけでもないのに、なんだか恥ずかしくて、スマホを胸の上に抱えた。