n回目のリフレイン




 あー、そうだった。宿題は……ほんの少し、本当に少しだけ手をつけているけど、八月に入ったからには本腰を入れて頑張らないと。


「……一緒にやろ?」

「小学生のときからそうしてるだろ」


 上目遣いでお願いする。

 矢島くんは呆れたように笑って、立ち上がり私に手を差しだした。


「〈秋風屋〉でおやつ食べながらやろう」

「ジュースつき?」

「もちろん」


 私はその手を握って立ち上がると、並んで石段を下る。長い休みのときでなくとも、宿題は民宿でおやつを食べながらすることが多かった。

 できないときももちろんあって、民宿にお客がいるときは矢島くんの家で宿題をしていた。

 矢島くんの家は……。


 家は。



 あ、れ?



「問題集にする?」

「え、ああ……ごめん、なんて?」

「やる宿題は問題集にする?」


 この暑さのせいか、深く考えようとしなくても頭の奥あたりがぼんやりとしてしまう。まだ中学生なのに。

 酷暑って怖いなぁ……。