n回目のリフレイン




 ……これで大丈夫だとは思うんだけど。

 こう、手ごたえらしいものが感じられなくて、やっぱりこれも違うんじゃないかと不安になる。

 セミが大合唱を奏でる中、デコボコしたコケだらけの石段を下りていく。

 また明日、沖白の図書館に行ってみよう。今は考えてもしかたないし、今回もダメだったら一日からお参りするしかない。

 最後の段を下りると、平坦とは言えないアスファルトが目に入った。日影と日向にくっきり分かれて、自分の未来を暗示されているような気になってしまう。

 どっちなのかは……考えないようにしよう、うん。

 グッと背伸びをして、民宿に帰ろうとした。


「秋山さん」


 心臓がものすごい勢いで跳ねた。


 まさか。


 どうして。


 恐る恐る後ろを向くと、そこには昨日となんら変わりのない矢島くんがいた。


「あ……昨日ぶり」

「そうだね、昨日ぶり」


 セミの声がうるさい。まるで「なにか言え」とせっつかれているみたいだ。