「噂の結園です」
『とうとう大賀も担当か。強烈な人がいたりするから気合い入れていけよ』
「ありがとうございます。あのホテル、うちの事務所ともう専属契約結んだほうがいいですね」
『まぁそれは所長と向こうの社長次第だな』
先輩の返答に、早々に結んでしまえばいいのにと思う。別にそれで柴田と少しでも距離を縮めたいとかそんな打算は……少しはあるが、それだけじゃない。
よくトラブルに巻き込まれるホテル側にメリットがあるからだ。訴えられても円滑に対応できるのは強いだろう。
「それかお祓いをお勧めしたいです」
『あそこの宴会部門は全員行ったってよ』
それでもこれか……。本気で柴田に転職を勧めたほうがいいかもしれない。
偶然とはいえこうしてまた会えたなら、今度こそ俺を好きになってもらえるよう努力しないと。
今度は高校時代のほろ苦い記憶がよみがえる。
俺の臆病な、一世一代の告白は見事に砕け散ったのだ。



