「柴田さん、こちらの問診票に記入をお願いします」
小袖さんがバインダーにはさまれた問診票とボールペンを持ってきてくれた。なんてありがたいタイミング!
「ありがとうございます」
見慣れてしまった紙に機械的に書き込んでいく。いや、ここまでの怪我は久々だしそうでもないかもしれない。
とりとめのないことを考えながら問診票に記入する。
「書けました」
小袖さんに渡して、あとは診察を待つだけだ。待っている患者さんは私と岡本さんだけだし、きっとすぐだろう。
「それでは少々お待ちください」
「はい」
「岡本さん、処方箋の準備が整いましたので──」
「はい、はい、お会計ね」
岡本さんは慣れた手付きでがま口の財布を取り出した。
「それじゃあ、柴田さんお大事にね」
「はい、岡本さんもお大事に」
会計が終わった岡本さんとお互いに会釈を交わす。のんびりと向かいの調剤薬局へと向かう背中を何となく目で追いながら、今日を振り返っていた。



