シェヘラザードに捧げる物語




「え、恋人……?」


 原嶋さんのご両親が顔を見合わせた。

 私も照屋さんと顔を見合わせる。


「そのような指示はしてないはずですが……」

「いや、俺のドジです……」


 照屋さんが恥ずかしそうに手を挙げて告白した。


「俺が食器落として、美咲たちに気づかれて……」

「ああ……それで、とっさに付き合ってるって言ったんですね」


 原嶋さんが相づちを打った。


「どうしてもわからなかったんです。秀樹が嘘をついているのはすぐわかったんですけど」

「そっかぁ……」

「あの場はああ言っておくのが自然かと思いまして……」


 ……大賀くんの顔が見れない。

 思いっきり設定作って話しちゃったよ。

 マッチングアプリで知り合った? 信用できないから色々と聞いた?

 ……よくもまぁ、抜け抜けと言えたよね。


「じゃあ、二人は付き合ったりしてない……?」


 大賀くんの呟きに、照屋さんと私は同時にうなずいた。