シェヘラザードに捧げる物語




「それで自分もやろうと思ったのがすごいよ……」


 力の抜けた笑顔を見せた照屋さんに、原嶋さんも上品に微笑んだ。


「私も……本当に申し訳ありませんでした」


 腰を九十度に曲げて頭を下げる。

 照屋さんは親戚だからまだ許してもらえた。


 だけど私は違う。

 ただのウエディングプランナーだ。


「いいえ、両親が柴田さんの……ホテルを守りたい気持ちを利用したんです」


 原嶋さんが冷ややかな目つきで両親を睨むと、二人は縮こまってしまった。


「柴田さん、申し訳ありませんでした……」

「ホテルにはどんな責任も求めないと、ここに約束いたします」


 二人も腰を折り曲げて深々と頭を下げた。

 はっきりとここに宣言されて、大賀くんもそれを聞いている。

 ……これでホテルの心配はなくなった。


「大賀さん、大賀さんにも多大なご迷惑を──」

「ああ、いいんです……二人を恋人に仕立てたのはびっくりしましたけど」