よかった。
窓を開けてリビングから掃除を始める。ソファーのクッションをベランダに干して、フローリングで掃除機を動かした。
それだけで、なんとなくすっきりした気分になる。
畑宮さんはすっきりしたんだろうか。
また考えても仕方のないことを考え始めてしまう。
手を動かしながらそう思っても、心はあの日の修羅場に飛んでいった。
畑宮さんの絶叫。
騒然となる会場。
ばら撒かれた写真は、チラッと見ただけでも二人の親密さが十二分にわかってしまうものだった。
君塚さんがシラを切り通せないようにと考え抜いた作戦だったんだろう。
それでも彼は「知らない」「勘違いだ」と繰り返し、畑宮さんが眉尻を吊り上げて迫ろうとした。
私はそれを止めようとして……額にものすごい衝撃が走ったのを覚えている。
ついさっき手にしたのか、彼女の手には花瓶があった。
それから、スタッフが数人がかりで取り押さえて。



