いつの間にか、水谷蘭のパフォーマンスが終わっていて、原曲の予音が会場に響いていた。
…3秒、静寂。
でも、みんな我に帰ったのか盛大な拍手が会場に包まれた。
俺も思わず拍手してしまう。
審査員の席ではマイクを審査員同士でまわしている様子が見られた。
「い、いや。僕はちょっと考える時間が…。」
「でも順番的には檜山さんだけど。」
「えぇっと...久我さん、どう?」
「え、あたしっ!?いやいやいや、順番あたしは3番目なんですけどっ。」
結局、久我朱理が無理矢理檜山朔にマイクを渡して評価タイムが始まった。
「えぇ…、えっとー、自分の表現の仕方が分かっていますね。もうプロレベルで。…本当に受ける側ですか?この結果なら審査員の席に一発で来れますね。」
「いえいえ。」
さっきまで激しい動きしてたはずなのに呼吸一つも乱れていない。
どんどんと続く高評価に水谷蘭はニコニコと返事をしていく。
評価は終わり、水谷蘭はステージで礼をすると落ち着いた足取りで自分の席へ戻って行った。

