一式静がステージの上で綺麗なお辞儀をすると、ステージのすぐ近くにある、審査員専用の席に座った。
机の上には、ヘッドホンと書類らしき紙がある。
「三人目——」
すれ違いになるようにステージに現れたのは、
「みなさん、こんにちはー!久我朱理(くがあかり)でーすっ!振付師とダンストレーナーやってます!よろしくねー!」
マイクがなくてもここまで届きそうな大きい声で自己紹介したのは、久我朱理。
ボブカットの髪は「あかり」という名前にあわせてなのか、染めたばっかりの蛍光レッドになっている。
久我朱理は、1年前に芸能界に来た、新人振付師&ダンストレーナーだ。
新人でも、実績はある。
ダンスのバランスもよく、芸能界では有名だ。
新人とは思えないほどの実力で、今では100曲以上のダンスの振り付けしているし、アイドルやアイドル研究生のコーチをやっているらしい。
多分、久我朱理の振り付けのダンスを踊る人も多いんじゃないか?
「四人目——」
「…1回目から審査員やってます。檜山朔(ひやまさく)です。アイドル13年目、まあかなりのおじさんだけど。よろしくね。」

