(俺)と「私」の諸事情



———

っマジで…気持ち悪い。

はぁ、はぁ、と荒い息をつく。

父親が来てから、俺はSilent Voltageをフルで15回踊らされた。

止められる事はないから休めるわけもなく。

15回目、やっとで声を出せたのが

「と、めて…」

だった。

声も掠れていたし、息もゼーハーだから聞こえてたかわかんないけど。

やっと止めてくれた。

父親はいつもと同じ無表情で俺の前で立つ。

「…全然ダメ。ミスストップでいく。」

…まっじかよ!

ミスストップとは、音楽を流してミスしたら音楽を止めて繰り返し練習する方法。

父親は「だいじょうぶでしょ」って思う細かいミスも細かく指摘してくるからなかなか最後まで辿り着けない。

「流すぞ。」

父親がこっちに振り向いて言った。

音楽が流れ始める。

俺がダンっと、最初のステップを踏んだとき。

——音楽が止まった。