(俺)と「私」の諸事情



…終わった。

少し乱れた息を落ち着かせながらセツヤの方を見る。

セツヤは...ニッコニコの笑顔で俺の方を見ていた。

...え?

これは…よかった方?それとも悪かった方?

顔を見て気持ちを探れないのが俳優の良くないところだ。

「…なるほど。」

セツヤは一言言うとスタジオのドアに向かって歩いていった。

「じゃ。」と言って俺の前から去る。

…マジ?

いやいやいや、「いいんじゃないか?」的な事でも言って欲しんですけど...?

別に俺のパフォーマンスがめちゃくちゃ悪くても「なるほど」だけ!?

…まぁ、アドバイスはしないとは言われたけどな。

俺はセツヤが去っていったドアを見つめながらしばらくの間、ぼうっとしていた。