(俺)と「私」の諸事情



Silent Voltageは父親の曲。

全部の歌調と全部のダンス、オーラ、全てを完コピさせられる。

「いえ。アクロバット、やります。」

俺は言う。

セツヤはその言葉に驚いたのか目を見開いた。

でもそれは一瞬ですぐに目を細めた。

「お、意外だなぁ。じゃあ今の実力を見せてもらおう。あ、アドバイスはしないぞ。」

あ、まじか。

でもこれ断れる雰囲気じゃない。

うん、と頷いて曲を最初から流した。

さっき覚えた細かいステップと低い声のラップ。

俺の場合はそこまで低くないけど。

そしてサビ前の盛り上がるところで軽々とバク宙。

そこから体勢を崩さないように着地。

芯がブレないように意識して踊る。

すると最後の俺のシャウトがスタジオに響いた。