(俺)と「私」の諸事情



セツヤがどうぞ、と言うように手のひらでくじ引きの箱を指した。
俺はそれに従って箱に手を入れてその辺にある紙を掴んで引き出す。
引き出した紙を開くとそこに書いてあった文字は...

『Silent Voltage/FATE CODE』

えっ。えっ?
FATE CODE...

セツヤは満足そうにニコリ、と微笑む。

俺はセツヤに礼をして早足で自分の席に戻った。

Silent Voltage。
この曲は正真正銘FATE CODE、つまり父親のグループの曲。
Silent Voltageは全体的に音程の幅が広い曲。
かっこいい系の曲だけど途中で低音ラップをメンバーが歌っている途中に重ねてしまったりhiFの余裕シャウトをラストパートにアドリブで父親が付けてしまったりしたりした、父親いわゆる『アドリブだらけの曲』だ。

ライブでこの曲を発表したらしいんだけど、父親が即興でアドリブいれてしまったせいでアドリブの入った方が好き!って言うファンが大勢現れてしまった。
だからアドリブがある方の曲メインで世界へ広がった。

この曲はニュースとかの週間人気曲ランキングとかで2ヶ月連続で3位入りしたり、CDを発売して1時間で売り切れた、とかの伝説曲だ。