(俺)と「私」の諸事情



「AXISaudition」

ざらめくような低音ボイスがマイクを通して響く。
すると、パッ、とステージの上にいる人にスポットライトが当てられた。

「司会は1回目2回目、3回目と続いて4回目も私・セツヤがお送りします。」

…セツヤ、か。
過去のAXISauditionは見てはいない。
けれど、セツヤの存在はもちろん知っている。
セツヤ、28歳。
セツヤは俳優業で活躍していたが、最近ではアナウンサー、タレント、さらには歌手まで手を伸ばしているらしい。つまり、マルチタレントだ。
あの有名なセツヤがオーデションの司会をする?
なら、見るしかない。

「こんにちは。今回は女性グループですね。さて、と」

だんだんと照明が明るくなって参加者がいる方の照明もついた。
すると、セツヤもシルエットから顔や服も見えるようになり、言った。

「このAXISauditionの説明をします。」