フードを外して男を見上げる。
アッシュグレーの髪に漆黒の瞳。
両耳には銀のリングピアスがひとつずつ。
切れ長の涼しげな目元に真っ直ぐ通った鼻筋。
恐ろしく顔の整ったその男は、教室で女子に囲まれていたあいつだ。
狼谷 京。私のクラスメイトにして仕事の相棒。
「なぁに?酔ちゃん。俺のことじっと見て。あ、俺の顔に見惚れてた?」
にやぁ、と意地悪く唇の端を持ち上げる。
「……」
うざい。このチャラ男が。
冷めた視線を送ってふい、と顔を逸らした。
肩に掛かったままだった腕をどかし、すたすた歩き出す。
「ごめんって」
京は慌てて私に着いてくる。
京は顔がいいからとにかく目立つ。
今だって、女子のお熱い視線が集まっているのを感じる。
あと、私への嫉妬の視線。
でも、京が隣にいるとナンパが寄ってこないので、とっても楽ちん。
当たり屋はたまに絡んでくるけど、京が一睨みするとすぐ去っていく。
やっぱり、美形が睨むと怖いらしい。
