君に捧げるアイラブユー




「東、顔真っ赤だよ?」

「…そりゃーね」

「ふふ」

「…急になに?」



少しだけ不機嫌そうな声。でも、顔はまだ赤いままで、全然怖くない。むしろ、そのギャップが余計にずるい。



「かわいいね、東」



ぽろっと、心のままに出てしまった。

かわいい。ほんとに。もっと見たい。

そう思った次の瞬間、空気が変わった。東が一瞬だけ真剣な顔になる。

え、と反応する間もなく、後頭部に手が回された。



「…っ、あ」



ぐい、と引き寄せられて、視界が一気に近づく。距離が、近いなんてもんじゃない。今にも触れてしまいそうな唇の位置で、呼吸が止まる。



「西宮。あんまり男にかわいいとか言わないほうがいいよ」



低い声が耳のすぐそばで落ちる。そのまま後頭部から頬へ、ゆっくりと手が滑った。

逃げ場がない距離。なのに、不思議と怖くはなくて、代わりに胸の奥だけがうるさくなる。