君に捧げるアイラブユー




状況を理解するよりも先に、身体がふわっと浮いた。



「え、え?」



一瞬、何が起きたのか分からなくて、思考が止まる。

視界がぐらっと揺れて、気づいたときには私は東の腕の中にいた。



いわゆる——お姫様抱っこ、ってやつ。



「ちょ、ちょっと…東!?」



自分でもびっくりするくらい大きな声が出た。顔が一気に熱くなる。こんなの、漫画とかドラマの中だけの話だと思ってたのに。



「このまま保健室行くからじっとしてな」



東は特に慌てる様子もなく、いつもと変わらない落ち着いた声でそう言った。



「…っ、」



じっとしてな、って。そんな簡単に言わないでほしい。だって、無理に決まってる。

この状況で、好きな人にこんなふうに抱えられて、平然としていられる人なんているの?


少なくとも私は無理。