君に捧げるアイラブユー




「西宮。万が一落ちたら危ないから、手どこか掴んどいてくれる?」



落ちたら危ないって、そんなの分かってるけど…問題はそこじゃなくて。



「手…」



抱きかかえられたままの私の手は、自分の胸の前で行き場をなくしていた。掴むって言われても、どこを?どうやって?そんなの、意識しないほうが無理に決まってる。



「…いいの?」



思わず小さく確認してしまう。だって、もし勘違いだったらと思うと怖いし、でも確認しないまま触れる勇気なんてもっとない。



「いいよ」



あっさりとした返事。

……いいんだね?本当に、いいんだね、東?

胸の奥で何かが弾けるみたいにドキンと音を立てる。私はぎゅっと息を止めて、意を決するようにゆっくりと腕を持ち上げた。そして、震える指先で東の首へと手を伸ばす。そのまま、抱きしめるように——ぎゅっと。

距離が、さらに近くなる。自分でも分かるくらい力が入ってしまっているのに、離すことなんてできなかった。するとすぐ、耳元で低くて柔らかい笑い声が響いた。



「…苦しい?」

「はは、大丈夫」



軽く笑いながらそう言う東の声が、近すぎて、くすぐったくて、心臓に悪い。