「三木。西宮と俺の荷物持って行ってくんない?俺のは、クラスの誰かに渡しといてくれればいいから」
私と、東の荷物?一瞬、意味が分からなくてきょとんとする。
でも三木は違ったみたいで、東の言葉を聞いた瞬間、ぱっと何かを察したように表情が変わった。
「オッケー」と軽く答えて、なぜか口元がにやけている。
えっと…今のやり取りのどこにそんな要素があったの?
「じゃ、私先行くから。東、すぐりのことよろしくね!」
そう言って、三木はひらひらと手を振りながら、さっさと行ってしまう。
「えっ!み、三木!?」
思わず声を上げるけど、もう振り返りもしない。
ちょっと待って、よろしくってなに~!?
こんな状態の私を置いていかれても、東だって困るだけなのに!
どうしよう、この状況。東と二人きりってだけでも落ち着かないのに、そのうえこの足の状態。痛いし、恥ずかしい…!
「東、ごめんね。私のこと放っといて大丈夫だから」
できるだけ明るく、いつも通りの調子で言ったつもりだった。本当は全然そんなこと思ってないくせに。迷惑なんてかけたくないし、これ以上かっこ悪いところも見せたくないし、何より——こんな情けない自分を、東に見られ続けるのが恥ずかしかった。



