結局私は、どうにかこうにか誰にもバレないように必死でごまかしながら、走り回っていた。
大丈夫、大丈夫!と自分に言い聞かせながら動き続けていたら、気づけば試合は何事もなく終わっていた。
(む…無駄に息が切れる…!)
はあ、はあ、と肩で息をしながら、その場で膝に手をつく。視界がぐらぐら揺れて、地面のラインがぼやける。そんな中で、ふと目に入ったのは自分の右足だった。さっきまで必死に動かしていたはずなのに、止まった途端にじんじんと痛みが広がっていく。
むしろ動いてないほうが痛い気がするのは、気のせい…?
「すぐり、超頑張ってたじゃん!」
明るい声と同時に、ばしん、と背中に強い衝撃が走る。
「は、はは…」
いや、ちょっと待って、痛い!その衝撃、今はだめなやつ!
「すぐり?大丈夫?」
「ん?大丈夫だよー」
少しだけ顔を上げて、三木の顔を見る。心配そうに覗き込んでくるその表情に、余計なことを言わせたくなくて、いつも通りの笑顔を作ってみせた。
ニコッと笑って、ピースまで添えてみる。
大丈夫、大丈夫。歩けてるし、立ててるし、だからきっと大丈夫なはず。



