運動音痴代表の私にパスなんて回ってくるはずないって、どこかで油断していたんだと思う。
適当に動いてるフリをして、ボールの行く方向にそれっぽく走るだけで精一杯だった。
「すぐり!パス!」
突然名前を呼ばれて、頭が真っ白になる。
「へ?」
反応が一拍遅れたその瞬間、慌てて振り向いたせいでバランスを崩して、右足をぐきっと嫌な方向に捻ってしまった。鈍い痛みが一気に走る。
ボールは当然受け取れず、そのまま無情にもラインの外へ転がっていった。
「すぐり、もしかして今捻った!?」
パスを出してくれた子が慌てて駆け寄ってくる。その表情が心配そうで、余計に申し訳なさが込み上げてくる。
うわ、最悪。かっこ悪いところ、全開じゃん。
「大丈夫!パス取れなくてごめんね」
「ほんと?無理しないでね」



