「痛くなかった?」
心配そうに眉を少しだけ寄せているその表情すら、どうしようもなく愛おしい。
「全然、大丈夫」
なるべくいつも通りを装って答えるけど、内心はそれどころじゃない。
さっき背中に当たった軽い衝撃の正体は、どうやらバスケットボールだったみたいで、東はそれをひょいっと拾い上げて、何でもないことみたいに軽く笑った。
その笑顔がまたずるいくらいにかっこよくて、思わず見惚れそうになるのを必死でこらえる。
東への気持ちはもう、とっくに溢れそうなのに、ばれないように口角を上げてニコッと笑ってみせる。
我ながらよくやってると思う。
こんな近くに本人がいるのに、平静を装えてる自分、ほんとにえらい。
「東、さっきまでステージに転がってたよね?」
なんて、さりげなく話題を振ってみると、「はは、見てたの?」って、少し照れたように笑う。



