君に捧げるアイラブユー




「憂鬱だな~…」



みんなの邪魔にならないように、できることなら透明人間になりたい。


パスは来ませんように、ボールは飛んできませんように、シュートなんて絶対に回ってきませんように――


それが私の体育のモットーで、その結果、成績は安定の2。


むしろ、どこをどう評価したら2がもらえるのか不思議なくらいで、毎回ギリギリの評価をもらえていることに体育の先生への感謝が止まらない。



しかも今日は、先生のうっかりミスで3組と合同授業。

つまり、ネットの向こうには奴もいるわけで、ただでさえ落ち着かないのに、余計に心臓に悪い。


よいしょ、と小さく気合いを入れて立ち上がろうとした、その瞬間だった。


トン、と背中にやわらかな衝撃が当たって、思わず動きが止まる。



「…?」



何が起きたのか分からなくて、ほんの一瞬だけ時間が止まったみたいに感じた直後、


「ごめん、大丈夫?」って、後ろから優しくて少し低い声が降ってきた。


振り向かなくても分かる。私の王子様だ。


ゆっくりと振り返ると、やっぱりそこにいたのは東だった。