彼の望むとおりにしたい。
それが、今の私の願い事。
(それに、私も結構いっぱいいっぱい)
ずっと、彼に嫌われることが怖かった。嫌われていると感じた時、生きている心地がしなかった。
家族だから。姉だから。こんなにもつらいのだと思っていた。
『そんなこと聞くってことは、好きな人いる?』
『いるけどキスとかは無理かも』
『え? なんで?』
『ただただ申し訳ない。私にキスされる人、本当かわいそう』
『いやいや、どんだけネガティブ』
『あと、嫌われたくない、かな』
でも家族だから。姉だから。気が付かない間に、自分の気持ちに蓋をした。
もっと前から……学校に呼び出されたあの日から、本当は自分の思いがどこにあるか、誰に向き始めているのか、気が付いていたはずなのに。
無意識に逃げたんだ。家族である弟に、嫌われたくなかったから。
『え? そりゃもちろんキスとか、その先ができるかどうかじゃない?』
『因みになんだけど、したいなって思う人はいないの?』
その後も、何度も何度も蓋をした。
彼にキスをされる、寸前まで。
“どうして、キスしたの?”
“いやだったんだよ”
溢れるのは、あっという間だった。



