青い青い空




 神の力を得た人間の、空を千切った数が十を越えた頃。


『ようは願いが叶えばよいことだろう』


 無駄を嫌う天籟の龍が黙っていられなくなり、千切った世界に介入することとなる。


 風のように世界に溶け込んだ翠龍は、あっという間に彼女に近付いた。部活動の先輩として。

 要領が悪い彼女に翠龍は苛ついた。めげない彼女にも苛立った。


 そして彼女はまた、あっけなくこの世を去った。

 部活帰りに、通り魔に殺されて。



 次こそはと、翠龍は再び千切った別の空で彼女に近付いた。そして、幾度となく世界を渡ることでようやく気が付いた。

 彼女の他人を思いやる心に。いつの間にか、惹き付けられている心に。



 けれど彼女は、何度も世界から消えていった。

 翠龍の心を掴んだまま――。