青い青い空


 彼は、「ふーん」と素っ気なく返事をした。指でそっと、握った私の手を撫でながら。


「……宵くんは?」

「ん?」

「気になる人、いる?」

「うん」


 緩んだ指の隙間に、骨張った長い指が滑り込んでくる。


「……その人のこと、好き?」

「うん」

「どれくらい?」

「わかんねえ。測ったことねえから」

「そっか。そうだよね」

「でも、そいつのためなら、何だってできると思う」


 爪の隙間に残った、青色の絵の具が、綺麗だった。


「約束する」

「ん?」

「俺が見ている世界を、お前に見せてやるから」

「……うん。私も、全力で応援する。ずっとずっと、応援してるよ」


 そっと、左手の小指が絡み合う。

 彼は、ふっとやさしく笑った。


「お前が応援してくれるなら、絶対頑張れるわ」


 朝までずっと、頬は熱を持っていた。