青い青い空


(だからと言って焦って結婚しようとするとか、出会い系アプリに登録するとか、合コンに行くとか、そういうのはちょっと違う気がするし)


 こんなことを言ったら絶対馬鹿にされるだろうから言わないけど、運命とは結局タイミングだと思っている。

 恋人が欲しいと思うのも、一目惚れするのも、スピード結婚するのも、自分の運命の中にある歯車がぴたりとそこに合うから行動できる。しようと思えるのだと。

 確かに、何もしなければ何も始まらない。でも、したいと思わないなら、無理にする必要はないと、そう思う。


(こんなのんびりしているから無経験でこれまでやってきたんだろ、とも思うけど)


 洗い物をしながら大きなため息を吐くと「ただでさえねえ幸せが逃げてくぞ」と言われてむっとする。

 そこで終わればよかったのに、自分はいいよね。かわいい彼女がいてさと、つい口走ってしまった。


「は?」


 慌てて口を塞いでも遅い。加えて寝不足だからか、頭が上手く働かなくなって、考え無しのままぽろぽろと言葉が落ちていく。


「ちゃ、ちゃんと紹介してくれてもよかったのに」

「や、マジ誰のこと?」

「砂押ちゃん」

「彼女じゃねえんだけど」

「ま、まだ彼女じゃないのかも知れないけど」

「だから、彼女じゃねえっつってんだろ」

「か、彼女じゃない子にキスしたの?」

「……おい。何でそれお前が知ってんだよ」