青い青い空


 矢面に立たされた私は、にこりと笑みを浮かべた。きっと思ってもみなかった反応だったのだろう。目の前からは、僅かに狼狽えたような空気を感じたから。


「もし仮にそうだとして、何か問題がありますか?」

「そう仰ると言うことは、事実と認めるということかしら」

「今は、弟が怪我を負わせたことが問題のはずですから」

「その原因が、あなたのようなふしだらな女だと言っているんです! 大問題に決まっているでしょう!」


 流石の物言いに、教師陣からは落ち着いてくださいという声が上がる。誰かが貧乏揺すりでもしているのか、先程からソファーがぎしぎしとうるさかった。


「もし仮に大問題があるとすれば、それはその噂の方ではないでしょうか」

「……何が仰りたいのかしら。さっぱり意味がわからないのだけど」

「そうですね。たとえば……」


 どうして、私の年齢を知っているのか。どうして、会社での噂を知っているのか。どうして、彼らと血が繋がっていないことを知っているのか。


「どうして母がいないことをご存じなのでしょうか」

「……弟さんから聞いたのよ。それから先生方にも」

「もし仮にそうだとして、会社の方々しか知り得ないような噂話を知っている理由にはなりませんよね」

「たまたま聞いたのよ」