青い青い空


 隣に座る私たちにだけ聞こえる程度に「このババア面倒くせえ……」とこぼしてから、弟は目の前に座る女性との一切の会話を放棄した。

 そんな彼に苦笑を浮かべていると、「お姉様もそうは思いませんか?」と、今度は私に矢が向く。


「お姉様もご心配でしょう。弟さんが忌憚の目に晒されるのは」

「……手を出したことで、周りからどんな目を向けられるか。わかった上での行動だったと思いますので」

「あら。えらく冷たいお姉様なんですわね。年が離れすぎているせいかしら」

「……それが何か」

「あら。ご存じありませんでした?」


 ――何でも、喧嘩の発端は他でもない、お姉様らしいじゃありませんか。