青い青い空


 休憩終わり、会場へと戻る道すがら、奢ってあげたアイスキャンデーを咥える彼がかわいくて、ふっと笑みをこぼす。


「でも、本当にそれが御礼でよかったんですか? 私としては、やっぱり納得がいかないんですが」


 結局昼食代も出させてもらえず、流石に何もしないわけにはいかないと粘った結果がアイスキャンデー一本。

 今日だって、人酔いも限界に近かったから、外の新鮮な空気が吸えて助かったというのに。


「俺的には一緒にお昼が食べられただけでも十分です」

「私は十分じゃないんです……」

「んーじゃあ、気になるんで聞いていいです?」

「何をでしょう」

「さっき何があったのかなって」

「それは……」

「きちんとしている青崎さんが連絡を入れられないほどには、大したことがあったんじゃないのかって、勝手に思ってるんですけど」

「……大したこと、か」

 
 普通の人にとっては、きっとなんてことないこと。ただ私には、それができなかっただけ。

 もしものことがあってはいけない。だから一石は私を途中で外したのだし、私服警官の人がいればそれだけで十分。それは、ちゃんとわかっているんだけれど。


(なんて私は、浅はかで身勝手なんだろう)


 あのまま、任せたくなかった。自分の力で解決したかった。自分の言葉で説得したかった。……自分、一人で。


(一人で、私は何もできない)


 それを、ただ再認識しただけ。それに少し、時間がかかっただけ。納得するのに時間を要しただけ。……それだけだ。