想いはいつか、本物になる。〜契約結婚脱出までの私たちの365日〜

 なんでも凱斗さんに結びつけるなんて、結構重症なんじゃない?

「ベルギー土産だからって、安直にチョコレートにしちゃったけど、旦那さまって甘いもの平気?」
「えーっと、どうだろう……」

 積極的に甘いものを食べているところは見たことないけれど、レストランで出されるデザートは残さず食べていたような?
 はっきりとは思い出せない。

「蒼羽ったら、旦那さんのことなのにわかんないの?」

 痛いところを疲れてびくっとする。

 それくらい、以前は夫婦なのに凱斗さんのことを知らなかった。
 でも今なら、たぶんどんな些細なことでも気がつくし、忘れないと思う。

「チョコレート一個くらいならたぶん大丈夫。ケーキとか好んでは食べないと思うけど」

 私が考える男性の一般的な姿を答えてみた。

「まあ男の人ってそんなもんか。仲良く食べてね」
「うん、ありがとう」

 なんとか誤魔化せてホッとする。
 フライトのブリーフィングに向かうという麻衣と手を振って別れた。


「岩永さんから?」
「はい、パリステイのついでにブリュッセルまで足を伸ばしたそうです」