偽カノ始めたら、彼の本気が止まらない件

特に思いつく場所がない。

そもそも、友だちともあまり遊びに行かない方だからなぁ。

同じグループの子たちは部活に入っているか、私と家が反対方向かだし。

羽菜も駅で上りと下りに分かれちゃうし、バスケ部所属だから遊ぶとしても夏休みとか長い休みの日くらいしかない。


「ないなら、提案してもいい?」

「……どうぞ」

「水族館どう?初デートだから、あんまり天気に左右されない場所がいいかなって思うんだ」


水族館、しばらく行ってないなぁ。

小学校の校外学習で碧浜(あおはま)マリンパーク内の水族館に行ったのが最後かな。

確かに当日が雨でも、館内だから関係ないし。


「水族館って、碧浜マリンパーク?」

「そう。あ、他に行きたい水族館あった?」

「ううん、そういうわけじゃないよ。碧浜マリンパークしばらく行ってないし」

「よっしゃ。じゃあ、待ち合わせは、雫の最寄り駅でいいよね」


私と手を繋ぎながら、桐谷君はスマホを操作して水族館の行き方を調べているようだった。