夏休みが終わり、二学期が始まった。
美術室に入ると、独特の絵の具と紙の匂いが鼻をくすぐる。
今日はデッサンの授業らしい。
「二人一組で、お互いを描いてくださーい」
そう言った先生は、最初からやる気があるのかないのか分からない調子で、すぐに自分の机に戻ってしまった。
案の定、教室はざわざわし始める。
真面目に描いている人はほとんどいなくて、笑い声があちこちで弾けていた。
その光景を見た瞬間、私はふと、夏休み前のことを思い出す。
文化祭の準備で騒がしかった教室。
階段の踊り場で、献くんと転びそうになったこと。
ステンドグラスの光に照らされたあの瞬間。
海の家での出会い。
稲くんの涙。
白兎さんの言葉。
——あの夏は、静かだけど確かに私の世界を変えていた。
美術室に入ると、独特の絵の具と紙の匂いが鼻をくすぐる。
今日はデッサンの授業らしい。
「二人一組で、お互いを描いてくださーい」
そう言った先生は、最初からやる気があるのかないのか分からない調子で、すぐに自分の机に戻ってしまった。
案の定、教室はざわざわし始める。
真面目に描いている人はほとんどいなくて、笑い声があちこちで弾けていた。
その光景を見た瞬間、私はふと、夏休み前のことを思い出す。
文化祭の準備で騒がしかった教室。
階段の踊り場で、献くんと転びそうになったこと。
ステンドグラスの光に照らされたあの瞬間。
海の家での出会い。
稲くんの涙。
白兎さんの言葉。
——あの夏は、静かだけど確かに私の世界を変えていた。
