記憶の欠片

 それから、時間はあっという間に過ぎていった。

 片付けの声。

 看板を下ろす音。

 校舎のざわめきが、少しずつ静まっていく。

 そして。

 日が完全に沈んだ頃、校庭には灯りが集まり始めた。

 後夜祭。

 スピーカーから流れる音楽。

 夜風に混じる、夏の匂い。

 昼間の喧騒とは違う、少しだけ大人びた空気。

 文化祭の終わりが、ゆっくりと、でも確実に近づいている。