好きです、先輩。別れてください

「夏弥に似合いそう、かも」


「ほんと!?」


「ん、これにしようかな」




私の手からひょいっとヘアゴムを取る。


しばらくそれをじーっと見つめていたけど、ふいに私に視線を向ける。




「買ってくるから待ってて」


「うん」




レジへ向かう猫葉くんの背中を見送りながらぼーっとする。


もちろん、考えているのなんて楓茉先輩のことなんだけど。



だって、この間のことを思い出さないわけないでしょう?


待ち時間なんて、なおさら。




「桜庭さん、ありがと」


「うん、どういたしまして」




猫葉くんが戻ってきたので、先輩のことを頭から振り払うように無理矢理笑顔を作った。


私を見て少し顔を顰めたから、それに気づいてるのかもしれないね。




「桜庭さん、このあと時間ある?」


「うん、大丈夫だよ」


「ちょっと休憩しよ」




休憩、と言われて連れてこられたのは一階にあるファミレスだった。


よく考えたらお昼時だしちょうどいいかな。



休日で混んでるかなって思ったけどすぐに通してもらえた。


しばらく2人ともメニューを見る。




「俺は決めたけど桜庭さん決まった?」


「決まったよ〜」