あの時離してしまった手を握れるチャンスがくるのなら

「え、ちょっと待ってください。住ませろ?守る?ていうか、私そんな守ってもらうようなことないと思いますよ。」

「でも、お前はあの古龍火に名前知られてただろ」

「古龍火?」

「お前、あやかし、いや、妖怪知らないのか?」

「妖怪?あの、妖怪ですよね?迷信の。それと、今のこと何にも繋がりませんよね?」

「はぁ、お前がさっき会ったのは、古龍火っていう性格悪い妖怪だ」

「妖怪…妖怪…って、妖怪!!!!」

確かに火みたいなやつは、出てたけどやけどもしてないし、この人も無事だし…

でも、この人にも角みたいなの生えてたし…

「嘘、ですよね。だって、妖怪だったらなんで私名前知られてるんですか⁉︎」

「それはわからないし、嘘じゃない」

この人の表情が飼い主に拒絶された犬のように見えるし妖怪とか聞こえたのは、きっと疲れてるんだよね…うん、疲れてるんだ‼︎

「…もう、わかりましたよ。うちに住む?」

はぁ、これが私の悪いところなんだよなぁ〜

「いいのか⁈」

「いいのかって、君が言ったんでしょ」

「ありがとう」