୨୧‥∵‥‥∵‥‥∵‥‥∵‥‥∵‥‥∵‥୨୧
結構大きなところのカラオケでした。フリータイムらしく、好きな時に抜けるらしいです。
歌は苦手なので、これまた隅っこで手拍子をしておきます。
黒川さんはラップの曲をたくさん歌っていました。すごくかっこよかったです。
早口言葉得意そうだなあ。
隅っこでぼーっとみなさんを見ていると、空いていた隣に誰かが滑り込んできました。
しのでしょうか…。
振り向くと、私の心臓は音を立てました。
顔に出ないように冷静に手拍子を続けます。
すると、その子が話しかけてきました。
「月城さんは歌わないの?」
「あ、は、はい。歌、下手なので…」
あみちゃんでした。
またまた些細なことになるのですが、私は下の名前でちゃんづけなのに相手は苗字にさん付けで悲しくなることってありませんか?
私はお気楽にあみちゃんなんて呼んでいたので、そんな自分が恥ずかしくなりました。
そういえば、あみちゃん…あ、神部さんはさっきすごく高音のラブソングを綺麗な声で歌って90点出してましたね。
「神部さん、歌上手かったですね」
そういうと、神部さんはふふんと笑顔になりました。
「まあね」
「普段からカラオケとか行ったりするんですか?」
「うん。大体ラブソングしか歌わないけどね」
「そうなんですね」
すると、神部さんは小さい時のようににかっと無邪気な笑みを見せました。
「月城さんって好きな人いるの?」
「えぇっ!?」
恋バナ!?
純粋にびっくりして、つい手拍子が止まってしまいました。
あ、と思いましたが仕方ないのでそのまま手拍子をやめて話すことにします。
というか、これ、言っていいんでしょうか。バラされない?
「…黒川とか好きじゃないの?」
「へっ!?」
「うわ、ビンゴだ。やっぱり」
神部さんはそのまま距離を詰めてきました。
「私、小さい時…小学生だったかな。の時黒川に告ったんだよね。あ、安心して!今はもうマイダーリンがいますから」
「えっ。そうなんですね?…ってことは、黒川さん、振ったんですか」
神部さん、可愛いのに。
今までこういう経験をしたことがなかったので、もしかしたら嫉妬してしまうかもと思っていたのですが、すんなり受け入れられました。
よかったです。
そして神部さんはへらっと笑いました。
「振られちゃったー。なんかもう、一刀両断されたよ!『ごめん、俺、お前のこと好きじゃない。嫌いでも無いけど』って!」
「黒川さんらしいですね」
そんな断り方知らない…。
そして、昔みたいに神部さんと笑いあえていることが純粋に嬉しい。
「じゃあ付き合えよ!って思っちゃったんだけど、多分そういうことじゃ無いんだよね」
「あー…」
熱心に話を聞いていると、神部さんの隣にも誰かやってきました。
神部さんが挟まれている形になります。
「え、黒川じゃん」
ええっ!?
「何、うちらの話聞いてた?」
本気で焦った様子で神部さんが私の手の上に手を重ねながら聞いてくれました。
神部さんにもちょっとキュン。
「えー、なんか、そういうことじゃない?みたいな?とこは聞いたけど。どんなはなし?」
「あー、それはねー」
「だ、だめっ!」
ニヤニヤしながら神部さんが話そうとしているので、手で制します。
怖い。絶対に好きはバレたくない。
「月城さん、お前の歌上手いって感心してたよ」
「まじ?」
びっくりした様子でこちらを覗き込んでくる黒川さん。
ひええええっ、むり!顔が蒸発しそう!
「はっ、はい!」
「ありがとう、嬉しい。っていうか月城は歌わないの?」
「え…」
私は戸惑います。
だって、この大勢の中で私の下手な歌が響き渡るんでしょ?
いやですけど、でも、ここで断ったら雰囲気悪くしてしまわないでしょうか。
悶々と悩んでいると、太陽のような笑顔で神部さんが話しかけてきました。
「私と歌お!」
「へっ」
すると、誰も予約を入れていなかったのか、最近流行ってるらしい女子のデュエットソングのイントロが流れ始めました。
手にグイッとマイクを押し込まれて、私に視線が集まります。
嘘っ!
本当に歌下手なのに。
泣きそうになっていたのですが、私は開き直り、これを歌い終わったら途中で帰ると決心しました。
考えているうちに、自分のパートがやってきました。
「好きはとめどなく溢れて甘酸っぱく溶けていく」
ドキドキしながら歌ったのですが、特に何も言われることなく曲は終わりました。
っていうか、カラオケってみなさんほとんどスマホ見てるんですね。
そんなことを考えながら、私は腕時計をチラリと見て驚いたフリをし、急いで重たいドアを開けて部屋から出ます。
「えーと…途中で抜けるので、ここですね。1270円、と」
無事に手続きを済ませ、お金を支払います。
そして外に出ると、後ろからまた自動ドアのあくウィーンという音が聞こえてきました。
他の部屋の人でしょうか。
気にせずそのまま近くの本屋に入ると、後ろからトントンと肩を叩かれました。
びっくりして振り向くと、なんと神部さんがゼエゼエしながら立っています。
え?
思考がフリーズしました。
「はー、はー…月城さんめっちゃ速足じゃん!追いかけるの苦労したんだから」
「な、なんで?」
すると神部さんは隣の某緑色の有名カフェを指さして、ニコッと笑った。
「入らない?」
結構大きなところのカラオケでした。フリータイムらしく、好きな時に抜けるらしいです。
歌は苦手なので、これまた隅っこで手拍子をしておきます。
黒川さんはラップの曲をたくさん歌っていました。すごくかっこよかったです。
早口言葉得意そうだなあ。
隅っこでぼーっとみなさんを見ていると、空いていた隣に誰かが滑り込んできました。
しのでしょうか…。
振り向くと、私の心臓は音を立てました。
顔に出ないように冷静に手拍子を続けます。
すると、その子が話しかけてきました。
「月城さんは歌わないの?」
「あ、は、はい。歌、下手なので…」
あみちゃんでした。
またまた些細なことになるのですが、私は下の名前でちゃんづけなのに相手は苗字にさん付けで悲しくなることってありませんか?
私はお気楽にあみちゃんなんて呼んでいたので、そんな自分が恥ずかしくなりました。
そういえば、あみちゃん…あ、神部さんはさっきすごく高音のラブソングを綺麗な声で歌って90点出してましたね。
「神部さん、歌上手かったですね」
そういうと、神部さんはふふんと笑顔になりました。
「まあね」
「普段からカラオケとか行ったりするんですか?」
「うん。大体ラブソングしか歌わないけどね」
「そうなんですね」
すると、神部さんは小さい時のようににかっと無邪気な笑みを見せました。
「月城さんって好きな人いるの?」
「えぇっ!?」
恋バナ!?
純粋にびっくりして、つい手拍子が止まってしまいました。
あ、と思いましたが仕方ないのでそのまま手拍子をやめて話すことにします。
というか、これ、言っていいんでしょうか。バラされない?
「…黒川とか好きじゃないの?」
「へっ!?」
「うわ、ビンゴだ。やっぱり」
神部さんはそのまま距離を詰めてきました。
「私、小さい時…小学生だったかな。の時黒川に告ったんだよね。あ、安心して!今はもうマイダーリンがいますから」
「えっ。そうなんですね?…ってことは、黒川さん、振ったんですか」
神部さん、可愛いのに。
今までこういう経験をしたことがなかったので、もしかしたら嫉妬してしまうかもと思っていたのですが、すんなり受け入れられました。
よかったです。
そして神部さんはへらっと笑いました。
「振られちゃったー。なんかもう、一刀両断されたよ!『ごめん、俺、お前のこと好きじゃない。嫌いでも無いけど』って!」
「黒川さんらしいですね」
そんな断り方知らない…。
そして、昔みたいに神部さんと笑いあえていることが純粋に嬉しい。
「じゃあ付き合えよ!って思っちゃったんだけど、多分そういうことじゃ無いんだよね」
「あー…」
熱心に話を聞いていると、神部さんの隣にも誰かやってきました。
神部さんが挟まれている形になります。
「え、黒川じゃん」
ええっ!?
「何、うちらの話聞いてた?」
本気で焦った様子で神部さんが私の手の上に手を重ねながら聞いてくれました。
神部さんにもちょっとキュン。
「えー、なんか、そういうことじゃない?みたいな?とこは聞いたけど。どんなはなし?」
「あー、それはねー」
「だ、だめっ!」
ニヤニヤしながら神部さんが話そうとしているので、手で制します。
怖い。絶対に好きはバレたくない。
「月城さん、お前の歌上手いって感心してたよ」
「まじ?」
びっくりした様子でこちらを覗き込んでくる黒川さん。
ひええええっ、むり!顔が蒸発しそう!
「はっ、はい!」
「ありがとう、嬉しい。っていうか月城は歌わないの?」
「え…」
私は戸惑います。
だって、この大勢の中で私の下手な歌が響き渡るんでしょ?
いやですけど、でも、ここで断ったら雰囲気悪くしてしまわないでしょうか。
悶々と悩んでいると、太陽のような笑顔で神部さんが話しかけてきました。
「私と歌お!」
「へっ」
すると、誰も予約を入れていなかったのか、最近流行ってるらしい女子のデュエットソングのイントロが流れ始めました。
手にグイッとマイクを押し込まれて、私に視線が集まります。
嘘っ!
本当に歌下手なのに。
泣きそうになっていたのですが、私は開き直り、これを歌い終わったら途中で帰ると決心しました。
考えているうちに、自分のパートがやってきました。
「好きはとめどなく溢れて甘酸っぱく溶けていく」
ドキドキしながら歌ったのですが、特に何も言われることなく曲は終わりました。
っていうか、カラオケってみなさんほとんどスマホ見てるんですね。
そんなことを考えながら、私は腕時計をチラリと見て驚いたフリをし、急いで重たいドアを開けて部屋から出ます。
「えーと…途中で抜けるので、ここですね。1270円、と」
無事に手続きを済ませ、お金を支払います。
そして外に出ると、後ろからまた自動ドアのあくウィーンという音が聞こえてきました。
他の部屋の人でしょうか。
気にせずそのまま近くの本屋に入ると、後ろからトントンと肩を叩かれました。
びっくりして振り向くと、なんと神部さんがゼエゼエしながら立っています。
え?
思考がフリーズしました。
「はー、はー…月城さんめっちゃ速足じゃん!追いかけるの苦労したんだから」
「な、なんで?」
すると神部さんは隣の某緑色の有名カフェを指さして、ニコッと笑った。
「入らない?」

