あの夏、キミが描いた青空


ふわふわとした感覚に目が覚めたとき、それはまるで異世界のようだった。



辺り一面真っ白で、雲の上にでもいるかのようで。



小雨が降っているが、太陽の日が当たって暖かい。



「俺、何してたんだっけ?」



確か教室で絵を描いていて…。



そういえば、紗英がいる街は晴れたのだろうか。



紗英に「好き」を言えずに終わってしまった。



消える前、実は紗英が来てくれないかと密かに期待していた。



だけど紗英は来なかった。



やっぱり、最後は俺の片思いで終わってしまったみたいだ。



こんなことになるなら、あのとき公園に紗英も呼べばよかったな。



まあ、今更後悔しても遅いんだけどな。



紗英、俺の声が聞こえるか?



俺にはお前の声は聞こえない。



俺は今、紗英に会いたくて仕方がないんだ。



紗英は俺の周りに群がって来る女子たちとは違った。



優しくて、友達想いで、俺のことを他のみんなと平等に扱ってくれて。



そんな紗英に、いつしか惹かれていったんだ。



だからまた、雨を降らせて紗英に会いに行ってもいいか?



そしたら今度こそ伝えたい。



「好き」だって。



だからまた会える日まで、どうか元気でいろよ。



俺が描いた青空の下で。