あの夏、キミが描いた青空


土砂降りの雨の中を、傘もささずに歩く。



あたしは今、きっと泣いているのだろう。



涙が雨と共に流れていく。



家に着くと、びしょ濡れで帰ってきたあたしを、早く帰ってきたお母さんが心配している。



こう言う時だけ運悪く、お母さんが早めに帰ってきてしまう。



あたしは何も言わずに、自分の部屋に閉じこもった。







それは、夜の出来事だった。



あの後機嫌が戻り、部屋から出てご飯とお風呂を済ませたあたし。



そして寝る準備を済ませたあたしは、ベッドに横になり、スマホをいじっていた。



推しのあみちゃんのSNS投稿を久しぶりに見る。



「ほんと、癒しだなー」



最近はあまりあみちゃんが投稿していなかったため、久しぶりに見れて心がほっこりした。



スマホで時間を見ると、そんなこんなでもうすぐ23時。



明日も学校があるし、そろそろ寝ようと思い、スマホを枕元に置いて電気を消した時だった。



『プルルルルプルルルル』



「電話…?」



あたしのスマホから、電話の着信音が。



夜に電話がかかってくるのは珍しい。



すぐに手に取って確認すると、電話主は琴音だった。



ふと今日のことを思い出して若干気まずかったが、出ることにした。



「もしもし…」



「もしもし紗英?今どこ?」



「どこって、家だけど」



琴音から電話がかかってくるのは珍しいし、何よりこんな時間に一体どうしたのだろうか。



しばらく電話の向こうでガサガサと音が聞こえた後、再び琴音の声が聞こえた。



「すぐに学校の近くの公園に来て!」



「えっ、何で?」



夜中に公園なんて…。



「お願い。王子様が…」



「わかった。すぐ行くね」



本当に大野が関係しているのだろうか。



もしかしたら、みんなであたしに何かしようと企んでいるのではないか。



そう思ったが、電話越しに琴音が慌てているのがわかったあたしは、渋々行くことにした。