土砂降りの雨の中を、傘もささずに歩く。
あたしは今、きっと泣いているのだろう。
涙が雨と共に流れていく。
家に着くと、びしょ濡れで帰ってきたあたしを、早く帰ってきたお母さんが心配している。
こう言う時だけ運悪く、お母さんが早めに帰ってきてしまう。
あたしは何も言わずに、自分の部屋に閉じこもった。
*
それは、夜の出来事だった。
あの後機嫌が戻り、部屋から出てご飯とお風呂を済ませたあたし。
そして寝る準備を済ませたあたしは、ベッドに横になり、スマホをいじっていた。
推しのあみちゃんのSNS投稿を久しぶりに見る。
「ほんと、癒しだなー」
最近はあまりあみちゃんが投稿していなかったため、久しぶりに見れて心がほっこりした。
スマホで時間を見ると、そんなこんなでもうすぐ23時。
明日も学校があるし、そろそろ寝ようと思い、スマホを枕元に置いて電気を消した時だった。
『プルルルルプルルルル』
「電話…?」
あたしのスマホから、電話の着信音が。
夜に電話がかかってくるのは珍しい。
すぐに手に取って確認すると、電話主は琴音だった。
ふと今日のことを思い出して若干気まずかったが、出ることにした。
「もしもし…」
「もしもし紗英?今どこ?」
「どこって、家だけど」
琴音から電話がかかってくるのは珍しいし、何よりこんな時間に一体どうしたのだろうか。
しばらく電話の向こうでガサガサと音が聞こえた後、再び琴音の声が聞こえた。
「すぐに学校の近くの公園に来て!」
「えっ、何で?」
夜中に公園なんて…。
「お願い。王子様が…」
「わかった。すぐ行くね」
本当に大野が関係しているのだろうか。
もしかしたら、みんなであたしに何かしようと企んでいるのではないか。
そう思ったが、電話越しに琴音が慌てているのがわかったあたしは、渋々行くことにした。

